夏の乗馬、馬は暑くないの?暑い日に私が気をつけていること

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夏の乗馬で、私が気になることのひとつが馬の暑さです。

青空の下で馬に乗るのは気持ちよさそうですが、実際に夏の馬場へ出てみると……

暑い。

とにかく暑いです。

ヘルメットをかぶって、長ズボンにブーツ。じっとしているだけでも汗が出てくるような日は、馬を見ながらふと思います。

「この子も、やっぱり暑いよね」

人間なら「今日は暑いね」「ちょっと休みたい」と言葉にできます。でも、馬は言葉では教えてくれません。

では、馬は暑いとき、どのように体の熱を逃がしているのでしょうか。

私自身気になったので、夏の馬の暑さや高温多湿の影響、運動後のクールダウンについて専門機関の情報を調べてみました。

この記事では、調べてわかったことと、実際に馬と関わるときに私自身が意識していることをまとめます。

はじめに|乗馬クラブの指示やルールを最優先に

最初に、この記事で大切にしている前提を書いておきます。

私は獣医師でも乗馬指導者でもなく、乗馬クラブを運営したり馬を管理したりしている立場でもありません。

馬が好きで乗馬を続けながら、馬に関するイベントのお手伝いなどをする機会もあり、そのなかで「馬にとってどうなんだろう?」と思ったことを調べたり、周りの方から教えていただいたりしながら学んでいます。

そのため、この記事で紹介する暑さ対策についても、一般的な情報として読んでいただければと思います。

実際に馬と接するときは、その馬を日頃から管理している乗馬クラブや牧場、スタッフの方の指示やルールを守ることが大前提です。

馬によって年齢も体力も健康状態も違いますし、施設によって管理方法も異なります。

「ネットでこう書いてあったから」と自己判断するのではなく、分からないことがあれば、その馬をよく知っている方に聞く。

私自身も、そこはとても大切にしています。

夏の乗馬で馬は暑くないの?馬の体温調節のしくみ

「そもそも馬は、どうやって暑さをしのいでいるんだろう?」

そんな疑問から調べてみると、馬も人間と同じように汗をかき、その汗が蒸発するときに体の熱を逃がしています。

運動すると筋肉から熱が生まれるため、馬の体はその熱を外へ逃がさなくてはいけません。

Penn State Extensionによると、馬が体熱を逃がす主な方法のひとつが発汗による蒸発で、運動量が多い馬ほど多くの熱が発生します。

ここで気になるのが、日本の夏らしい「暑さ+湿気」です。

汗は蒸発するときに体を冷やしてくれますが、湿度が高い環境では汗が蒸発しにくくなります。

University of Minnesota Extensionでも、高温多湿になるほど馬が汗によって体を冷やす効率は低下すると説明されています。

つまり、

「気温がものすごく高いわけではないから大丈夫かな」

と、気温だけでは判断できないということ。

湿度や日差し、風の有無なども、馬が感じる暑さに関係してきます。

人間でも、カラッとした30℃と、湿気たっぷりの30℃では体感がまったく違いますもんね。

馬にとっても「数字だけでは分からない暑さ」があるのだと思うと、夏の馬場を見る目が少し変わります。

暑い日の馬に見られる変化|「いつもと違わない?」を見る

私は馬の体調を診断できる立場ではありません。

それでも、暑い日に馬と接するときには、

「いつものこの子と違わないかな?」

ということは、なるべく気にするようにしています。

暑さによる負担が大きくなった馬では、呼吸や心拍数の増加、多量の発汗、疲労感や元気の低下などが見られることがあると専門機関では紹介されています。

だからといって、私が見ただけで、

「これは熱中症だ」

「この馬は運動させないほうがいい」

などと判断することはできません。

でも、

「なんだか呼吸がいつもより激しい気がする」

「ずいぶん疲れて見えるな」

「いつもと少し様子が違うような……」

と感じることはあります。

そんなとき私なら、自分だけで判断せず、スタッフの方に伝えます。

馬について詳しくないから気づいたことを言ってはいけない、とは思いません。

判断することと、気づいたことを伝えることは別。

これは馬と関わるうえで、私自身も忘れたくないことです。

暑い日の乗馬や運動はどうする?判断はクラブに従う

暑い日にどのくらい運動するのか。

何時ごろ乗るのか。

今日はいつもどおりレッスンするのか、それとも内容を軽くするのか。

こうしたことも、本来はその馬を管理している方が、馬の状態や天候などを見ながら判断することだと思っています。

専門機関の情報を調べると、高温多湿の日には運動する時間帯を涼しい時間へ変えたり、運動量を減らしたり、状況によっては運動を行わないことも暑熱対策として挙げられています。

実際、日本でも夏場に馬を使うイベントを休止する例があります。

JRAでは2026年夏、暑熱対策として東京競馬場の馬事イベントを一定期間休止したり、宮崎育成牧場で夏季の馬車・体験乗馬を休止したりしています。

そう考えると、「暑い日は無理をしない」ということは、決して大げさなことではないのでしょう。

乗馬を楽しみにしていると、

「せっかく今日来たんだから乗りたいな」

と思うこともあります。

私も馬に乗るのが好きなので、その気持ちはよく分かります。

でも人間側の「乗りたい」と、馬にとってその日の運動がどうなのかは別の話です。

もしクラブ側がレッスン時間を短くしたり、内容を変更したり、中止したりするのであれば、私はその判断に従いたいと思っています。

馬を日々管理しているのは、私ではありません。

だからこそ、そこはきちんと線を引いておきたいところです。

夏の乗馬後、馬のクールダウンについて調べてみた

夏の乗馬について調べていて、私自身とても勉強になったのが運動後のクールダウンでした。

運動した馬は筋肉の働きによって多くの熱を生みます。

専門機関では、熱くなった馬に対して水を使って体を冷やす方法が紹介されています。

Penn State Extensionでは、暑熱ストレスが疑われる馬を速やかに冷却するときには、体全体へ継続的に水をかける方法が示されています。近年の研究では、冷却中に毎回スクレーパーで水を取り除く必要はないことも説明されています。

FEI(国際馬術連盟)の暑熱環境での馬の管理資料でも、競技などで熱くなった馬を水で冷却する方法が取り上げられています。

こういう情報を読むと、

「なるほど、馬を冷やすことにもちゃんと理由があるんだな」

と勉強になります。

ただし、ここも私が「こうやって冷やしてください」とお伝えするところではありません。

実際の乗馬クラブでは、馬の状態や運動内容、設備などによって手入れの方法が決められているはずです。

私なら、

「今日はどのようにお手入れしたらいいですか?」

と聞き、そのクラブのやり方に従います。

水を使うのか、どこまで自分でやるのか、いつ馬房に戻すのか。

その場によって違うこともあります。

だから、知識として知っておくことと、勝手に実践することは別。

この違いも大事だと思っています。

夏の馬と水分補給|知識として知っておきたいこと

夏になると、私たち人間も「水分をとらなきゃ」と意識します。

馬について調べても、暑い時期には清潔な水を十分に飲める環境が重要であることが専門機関から示されています。

また、運動中の発汗では水分だけでなく電解質も失われます。

ここも、乗馬クラブに通う側が勝手に水や塩、電解質などを与えるという話ではありません。

「馬も汗をかけば水分や電解質を失うんだ」

と知っているだけでも、夏の馬を見る目が少し変わるのではないでしょうか。

馬房に水が用意されていることも、運動後にスタッフの方が馬の様子を確認していることも、以前より「なぜそうしているんだろう」と考えられるようになります。

私は、こういう小さな「なぜ?」を知ることも、馬と付き合っていく楽しさのひとつだと思っています。

暑い日は「乗らない」も馬との時間なのかもしれない

乗馬を始めると、どうしても、

馬に乗ること=馬と過ごす時間

と思ってしまいがちです。

もちろん私も乗りたいです。

馬場に行ったら、そりゃあ乗りたい(笑)。

でも、馬との関わりは騎乗だけではありません。

ブラッシングをしたり。

馬の様子を眺めたり。

スタッフの方から手入れについて教えてもらったり。

馬同士の様子を見て、「この子たちはこんな関係なのかな」と考えてみたり。

乗らないからこそ見えるものも、意外とあります。

暑さのためにレッスンが変更になったり、馬に乗れなかったりしたとしても、

「せっかく来たのに」

だけで終わらせず、

「今日は馬を見る日にしよう」

と思えたら、それも悪くない気がしています。

自分が馬に何をしてもらうかではなく、

その日の馬を見ながら、自分がどう関わるか。

そんなふうに考えられるようになりたいです。

夏の乗馬では人間の暑さ対策も忘れずに

馬のことばかり気にして、自分がフラフラになってしまっては困ります。

乗馬ではヘルメットや長ズボン、ブーツなどを身につけますから、暑い日は人間側の体調管理も欠かせません。

ここについても、私は自分の体調を過信しないようにしたいと思っています。

水分をとる。

体調が変だと思ったら無理をしない。

クラブから暑さに関する案内が出ていれば、それに従う。

馬好きは、馬のことになると妙に頑張れてしまったりします。

「馬のためなら大丈夫!」

……いやいや、人間も大丈夫でいてください、です(笑)。

馬と人、どちらも無事にその日の時間を終える。

夏は特に、そこまで含めて乗馬なのだと思います。

まとめ|夏の乗馬は馬を見る時間も大切にしたい

今回、夏の乗馬について改めて調べてみると、馬も汗をかいて体の熱を逃がしていること、高温だけでなく湿度も馬の体温調節に影響することなど、私自身もあらためて知ることがありました。

そして、調べれば調べるほど思うのは、

「知識があること」と「その馬について判断できること」は違う

ということです。

一般的な馬の暑さ対策について知ることはできます。

でも、今日目の前にいる馬がどんな状態なのか、どれくらい運動していいのか、どんなケアが必要なのか。

その判断は、日頃からその馬を管理している方や獣医師など、それぞれの立場の専門家に任せるべきものです。

私にできるのは、馬について学ぶこと。

実際に馬と接するときはクラブの指示やルールを守ること。

そして、

「今日はどんな顔をしているかな」
「いつもと違うところはないかな」

と、目の前の馬を見ること。

暑いから乗れない日があってもいい。

ブラッシングだけの日があってもいい。

馬のことをひとつ知って帰るだけの日だっていい。

馬に乗ることだけが、馬と過ごす時間ではありません。

馬の都合より人間の「乗りたい」を優先しないこと。

それも馬との信頼関係を大切にするひとつの形なのではないかと、私は思っています。

今年の夏も、馬にも人にも無理のない形で、馬との時間を楽しんでいきたいですね。

参考にした情報

この記事を書くにあたり、馬の暑熱対策やクールダウンについて以下の情報を参考にしました。

参考にした情報

この記事を書いた人

馬との関わりは6年目。ウエスタンライディングを中心に乗馬を楽しみながら、馬に関するイベントのお手伝いやホースケアについての学びを続けています。分からないことは専門機関や一次情報を調べ、自分の経験と調べた情報を分けながら、馬好きの目線で発信しています。

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